歩む速さについて
「はぁ。もうダメだ・・・」
一言泣き言をつぶやいて、アルファは立ち止まった。
旅の道中での泣き言など、これまで一度も口にしたことなどなかったというのに、もはや、彼の身体は限界だと訴えている。両足が震えて、麻痺しかけた尻がひりひりと痛み、強張った腕が肩の上まで上がらなくなっている。
「少し休憩しよう。ロー」
先を進んでいたローは、不機嫌そうに振り返り、馬鹿にしたように鼻で笑う。
「まだ半日も進んでないぞ」
「馬鹿を言うな。もう一歩だって先には進まないぞ。まったく、だから私は嫌だったのだ・・・」
いつでも文句を言うのはローの方で、小馬鹿にするのはアルファの役目だった。アルファの健脚についていくことが出来ず、慣れぬ旅に出た頃には、半日どころか、街の影が見えなくなるとすぐにでも音を上げていたのだ。
だが、それは徒歩での旅でのみ通用する法則であり、馬上ではまったく逆の立場になるということを、ローは初めて知った。
「こうなることは分かっていたのだ。私としたことが・・・どうして承知したのだろう」
自問自答しながら、よろよろと不器用な足裁きで馬から滑り降りると、アルファは深々とため息をついた。
前の街で買い求めた栗毛の雄馬は、逞しい体躯を震わせて、まだまだどこまでも進めると示すように意気揚々と鼻を鳴らしているが、彼の上に乗っていた魔法使いは、まったくもって気力の欠片もない。
もう、こんなもの。とでも言いたげな仕草で、ふいと背を向けると、アルファは馬の手綱も放り出して道脇の土手の下へと歩き出した。
「おい!魔法使い!」
ローは慌てて自分の馬の首を回した。白毛の牝馬は、じゃじゃ馬で困り果てていたところを、ローが買い受けたものだった。
銃使いが呼び止めようと、馬を駆けさせたけれど、頑固な魔法使いは聞きもしない様子で、さっさと歩いていってしまう。その後姿は、どこかぎこちなく、馬の上に跨ったまま固まってしまったかのように蟹股になっていた。
土手の下には、小さな小川が流れていた。
仕方なしに自分も馬をおり、アルファが放っていった栗毛馬の手綱を取ると、ローは2頭の馬を連れて土手を下り始めた。少し水をやって休ませてやったら、馬達も喜ぶだろう。そうしたら、魔法使いも気を変えるかもしれない。
「絶対にダメだ。馬を買うなど、私は断じて許さない」
旅を捗らせようと、乗馬を提案したローに対して、アルファは開口一番、大げさなほど反対した。
低い丘陵地帯が終わり、それまでの昇って下っての起伏に溢れた地形から、目の前に広がったのはどこまでも果てしない平野だった。四方を山に囲まれており、凡庸な大地には草木が少なく、乾燥していた。イシェ地方の商業都市バスカーニは、この平野の限界口であり、準備地点でもある。
この平野を越えれば、ついに海へと到達するらしい。そこへ行って何をする気なのか、と問いかけてみたら、アルファは、特になにもと笑いながら答えたことがあった。
「馬があればこの平野も楽に越えられるし、道中捗るだろ?」
まさか大反対されるとは思っていなかったローは、イラ立ちよりもむしろ、驚いた様子で言い返す。
「急ぐ旅でもなし、楽をするくらいならば苦労した方が身のためだ」
断じて許すつもりのない様子のアルファは、宿屋の店先に置かれたテーブルに座って、お茶を飲んでいる。普段なら優雅に見えるだろうその様子も、どこか刺々しくイラだっていることがローにも分かった。アルファがイラ立つなんて珍しいことだ。いいや。これまで、これほど感情を表に出したアルファを見たことがなかったかもしれない。
「分かった分かった。楽して急ごうなんて思わないよ。ただ、どうせ歩くなら、馬に歩かせたって罰は当たらないだろう」
「私の足は長いこと地を踏んでいるが、萎えてはいない。馬達に肩代わりしてもらうことでもないさ」
本当に頑固だ。この頑固さに多少のイラつきを覚えつつ、どうやったら覆るだろうかと思案を巡らせる。しかし、魔法使い相手に口先で勝てた試しなどないし、説得など無理だろうという結論にローはすぐに到達した。
口先で勝てるほど、ローは目の前の魔法使いを理解できてはいない。
「・・・おまえ、馬に乗れないのか?」
だから、単刀直入に言葉を選んだ。アルファがどういう反応をするのかと興味津々に見ていると、彼はしばらく何の表情もないままローを見つめ、ゆっくりとお茶を一杯飲んでから「うむ」と一言だけ答えた。
「意外だな。おまえに出来ないことがあるなんて」
「出来ないわけではない。ただ、馬は苦手なのだ」
至極当然という様子で、アルファはさらっと言葉を続ける。
「驢馬や駱駝はいい。彼らは急いだりはしないし、旅の共にするには気楽なものだ。しかし、馬は・・・気性が荒く御しにくい。私には向かないのだ」
「そんなものかな?」
「私は、彼らとは気が合わないのだろう。ただ、それだけのことだ」
アルファの旅が具体的にどういうものなのか、ローは知らないし、知りたいと思ったことはなかったから、彼がどれくらいの距離を旅し、これからどれくらい歩いていくつもりなのか、気にしたこともなかった。魔法使いの目的も知らない。それでも付いて来た自分の不可解さに、今更になって気がつく。こんな遠くまで来てしまってから、後戻りも出来ないような場所で。
「それなら、なおのこと馬に乗ったほうがいいんじゃないか?」
ローの言葉に、アルファは驚いたように目をした。
「なぜだ?」
「どこまで行くか分からないのだろう?」
不思議そうに首をかしげながら、アルファは「うむ」と答える。
「それに、またオレが倒れたら、おまえは荒野のど真ん中でどうするつもりなんだ?また、背負って行くつもりなのか?」
妙に神妙な面持ちで、じっとローを見つめ、ゆっくりと考えた後で「また倒れるつもりなのか?」と言うアルファに、ローは思わず吹き出してしまった。
「いいや。あんなこと、もう二度とごめんだね。おまえに背負われるなんて」
「うむ。私も同感だ」
答えてアルファは立ち上がった。お茶のカップをテーブルに戻し、隣の椅子に立てかけていた杖を持つと、改めて背を伸ばしてローを見る。考え込むような、困ったような、呆れたような、ようやく息をついてため息をついたとき、アルファは遠いところへ視線を投げながら、達観した眼で行く先を見つめた。
「おまえの好きにすればいいさ。ロー。馬なり何なり、乗ればいい。私は気が進まないが・・・」
「そうか!それなら、話は早い!」
相手が何か言いかけるよりも前にぱっと立ち上がると、ローは店を出て、さっさと馬屋へと足を向けていた。
「もう馬屋と話はつけてあるんだ。一刻後には出発できるさ」
それだけ言い残して去っていく銃使いの背を見送りながら、アルファは深くため息をついたのだった。
土手を下り切ったアルファは、小川のほとりの岩にようやく腰を落ち着かせると、思いっきり背伸びをして、かちかちに固まった背中を伸ばした。その次には足を、腰を捻り、脇の筋を伸ばす。思いっきり欠伸をしつつ、ぐるりと身体を回した頃、呆れた様子のローがすぐそばまで来ていた。
「そんなに、大げさなことか?」
「先に言っただろう。私は、乗馬が苦手なのだ」
見るからに疲れた様子で、身体のあちこちをもみ崩しながら文句をたれるアルファを横目に、ローは2頭の馬を近くの木陰に連れて行き、水を飲ませてやった。日がだいぶ昇ってきているので、照りつける太陽は暑くなっている。
「あぁ・・・まったく、身体が軋んでいる」
「おまえは、緊張しすぎなんだ。魔法使い。もっと落ち着いて乗ればいいだろ」
「そう言われてもな。馬というのは隙あらばすぐに駆け出すし、言うことも聞かない。座っているだけでも一苦労だというのに、走られたらこちらはついていけない」
「こいつらだって、広い土地を見れば走りたくなるさ」
「残念ながら、私はならない。歩いて行きたいのだ。もう、馬には乗りたくないな」
まるで子供が言うように、ふいと顔を背けて膨れるアルファの様子に、多少なりともイラ立ちを覚えつつ、ローは黙っていた。つまるところ、無理強いをしたのは自分だし、アルファがどれほど乗馬が苦手なのかということは、この半日の間に充分すぎるほど理解できた。
そもそも、アルファは背の高い馬の背に飛び乗ることも出来ないし、手綱の捌き方も知らない。一番楽な姿勢も分かっていないから、長時間乗馬を続けられないだろう。おまけに、馬の動きに合わせようとする努力も、ほとんど報われておらず、魔法使いと馬との呼吸はまったくといっていいほど合っていないのだ。
馬と気が合わないというのは本人の談だが、まさにその通りだ。
「どうして、そんなに乗馬が下手なんだ?これまで、ここまで馬に乗れない奴に出会ったことがなかったぞ」
「それなら、出会えて幸運だな。銃使い」
アルファは面白くもなさそうにつぶやき、もう一度大きく伸びをした。体のあちこちでぽきぽきと骨の軋む音がして、力が入りっぱなしだった内股の筋肉がまだ痙攣していた。
「昔は・・・乗れたのだ。たぶん。もうずっと前のことだが」
小川の冷たい水を飲もうとしていたローはふと顔を上げる。
「あるとき、以前のような気持ちで馬に乗ろうとした時。どの旅だったろう。遠くへ行くつもりだったのだろうが。とにかく馬に乗ろうとしたら、見事に振り落とされてね。どういうわけか、馬は大人しく私を乗せようとはしなかった」
「嫌われたんだな」
「それ以来、あまり上手く馬に乗れなくなってしまった。まぁ、それを苦に思ったこともないのだがね。おまえは、馬に好かれるようだね」
ローが白毛馬に気に入られた経緯を聞いているアルファは、からかうように笑って見せた。銃使いが"月舞号(ムーンダンサー)"と勝手に名前をつけた白馬は、一目ローを見たときから興奮して鼻を鳴らしたらしい。暴れ馬で手がつけられないから、という理由で馬屋は格安で彼女を売ったのだ。
「オレは小さい時から乗馬を習ったからな。銃使いの嗜みだ」
「うむ。おまえは、馬によく似ている」
馬鹿にされたのかと思い顔をしかめるローに、そういう意味ではないとアルファは笑って首を振る。
「おまえも馬も走るために生まれてきたのだろう。私とおまえ達とでは、歩む速さが違うのだ。もうこれはどうしようもない。おまえ達の方が速く、私は遅い」
「馬の方が足が速いに決まっているだろ。おまえの言っていることは意味が分からない」
「それなら、おまえの頭は馬並なのだろう」
アルファはははと笑った。いつもどおりの変わらない笑いだった。だから、気にも留めなかったけれど、魔法使いは誰にも気付かれないような小さなため息をついて、銃使いを見た。
「そのうち、私はおまえの足手まといになるだろう。ロー。それでも、おまえは私と共にくるのか?」
結局、その日はあと少し馬で進んだけれど、あいかわらずアルファには苦痛と文句が続き、歩を合わせてのろのろと歩いたおかげで、ほとんど先へ進むことが出来なかった。
街道を少し外れた木の下で野宿しながら、ローは明日はどれくらい進めるだろうかと考えた。当の魔法使いはまっすぐ眠れないくらい足が痛んでいるらしく、普段なら遅くまで起きているところを、今日に限ってはさっさと焚き火に背を向けて寝入ってしまっている。よほど疲れたのだろうな、と思いながら、小馬鹿にしてやりたいやら、申し訳ないやら、イラ立ちやら、よく分からない複雑な気分に囚われて、ローもまた、埃臭いローブの中にうずくまった。
アルファの言葉がふと思い浮かんで、忌々しいことに眠ろうとするローの努力をことごとく蹴散らしてしまう。
いつか、足手まといになるだろう、と魔法使いは言った。足手まとい?どうして、自分ではなく、魔法使いが足手まといになるというのか。そもそも、旅に勝手についてきたのは自分の方で、残念ながら、ローには行くあても旅の目的も、他人に振りかざせるような理由は何もない。それでも、この旅についてきたのは、単純な興味からだ。もはや故郷へは戻れない。どこかへ行かなければならないのならば、事の元凶である魔法使いに付いていくしかない。それが、最初の動機だった。
今のローには、何かの目的も理由もまだ見つけられてはいない。今はまだ、魔法使いの後ろにくっついて、歩くほかはないのだ。
魔法使いと2人旅というのはどうにも癪に障るのだが、それを別にすれば、アルファとの旅はそれなりに面白い。珍しいものを見ることができるし、たまには死に掛けたりもするが、退屈はしていない。ましてや、足手まといになるなどと、思ったこともない。
馬が乗れないくらいで、何を大げさな。気の小さいやつめ。
そう思ったら、無性に笑えてきた。偏屈で何を考えてるのかさっぱり分からないような魔法使いにも、拗ねるようなことがあるのだ。それに気づいただけでも、大した儲け物ではないか。あいつを小馬鹿にするネタが一つだけ出来たということだ。馬に乗れないなど、大したことでもないくせに。
ローはふといい考えを思いついた。もう少し、あの魔法使いを苛めてやろう。そのためには、今すぐにでも行動を起こさなければならない。あの不器用な奴とは違って、ローは乗馬が得意だし、馬達も走れない一日を過ごして落ち込んでいるはずだ。
銃使いは意気揚々と自分の寝床から起き上がり、そっとアルファの様子を伺った。土の上でもまだ馬に乗っている気分なのか、妙に不機嫌そうな顔をしているが、上手く寝入っているらしい。さっと身を翻し、自分の荷物をまとめると、ローは月舞号に乗ってその場を離れた、もちろん、アルファの馬も連れてだ。
どうせ、乗れないのならばもう必要ないだろう。
アルファが眼を覚ました時。彼は久しぶりに、たった一人で居ることに気がついた。ローの姿はどこにもなく、馬の姿もない。
内心で、少しだけほっとしながら、アルファは黙って旅支度をした。昨日までなら、寝起きの悪いローを叩き起こし、長い支度につき合わされもしたが、朝食さえ食べないアルファの朝は、目覚めるとほとんど同時に旅に出られるのだ。
日が完全に昇る前から街道へと戻り、南に向かって歩き出す。
ローは先を急いだのだろうか。ふと考えてみたけれど、あえて詮索してやることをやめた。それではまるで、自分が保護者のようだ。銃使いがそばにいるというのは、なかなか面白い関係だったが、いずれは彼も、アルファを追い越して先へ行ってしまうのだ。それが、今なのか、もう少し先になったのか、ただそれだけのこと。彼がどこにいこうと、自分の知ったことではないと心に言い聞かせながら、アルファは自分のペースで歩いた。
やはり、一人で歩くのはいい。何も考えず、何も感じることもない。ただ、先へと伸びる道を辿り、進んでいけばいいだけのことだ。至極単純明快な旅。迷うことも、立ち止まることもないだろう。
ふいに背後から可笑しな音が聞こえたような気がした。がらがらと石を跳ね飛ばすような音だ。立ち止まり振り返ろうかとも思ったけれど、聞き間違いかもしれないと思い、気に留めなかった。しかし、たしかに音は近づいているような気がする。おまけに、遠くの方で自分の名前を呼ぶ声が聞こえてくるのだ。忌まわしいことに、ローによく似たその声は、はるか彼方から響き、何か必死に叫んでいるように聞こえた。
「おーい!待てよ!!」
アルファは深々とため息をついて立ち止まった。彼の歩みを止めさせるものは、彼の意思以外にありはしないというのに、どうして、あの男はこうもお節介で礼儀知らずなのだろうか。
振り返って見れば、たった今歩き出したばかりの街道の向こうから、馬車が走ってくるのが見えた。オンボロで今にも吹っ飛びそうな勢いのまま、強引に走るのはローの愛馬"月舞号"だ。
しばらく立ち尽くして待っていると、オンボロ馬車に乗ったローはあっというまに追いついてきた。夜通し走ってきたと見え、月舞号は荒い息をつき、ロー自身すっかり疲れているように見えたが、してやったりという満足げな笑顔は、うんざりするほど朗らかだ。
「待てよ!!魔法使い!!」
「ちゃんと、待っていたぞ。銃使い。何をそんなに急いでいる?」
「馬と交換してきたんだ」
自慢げに馬車を示すが、見るからにオンボロのそれが自慢に値するとは到底思えない。農家の納屋の隅に置き去りにされてどれくらい経ったものやら、前へ進むだけで、酷い軋み音を立てる木の悲鳴が、もはやこの馬車の寿命が長くないことを示しているようだった。
「馬屋の親父を叩き起こして、無理行ってもらってきた。だが、すぐにでも修理してやらないと・・・車輪が今すぐ吹っ飛びそうなんだ」
「そのようだな」
呆れたというか、なんというか。何を考えたら、こんな大それた行動を思いつくのやら。アルファは、ぐるりと馬車の周りを回り、その惨憺たる有様にため息を一つ、これでは、馬一頭分の値打ちもなさそうな、廃材同然の代物だ。
「馬に乗れなくとも、馬車には乗れるだろう?乗馬より楽だし、乗っているだけでいい。時々、御者を変わってくれればこっちも楽できる。馬車の御者くらいはできるだろ?」
「それくらい私にもできる」
「それならちょうどいい。オレは馬車の方が苦手なんだ」
「わざわざ、私のためにこれを?」
アルファの問いに、ローはきょとんとした顔を作り、次にはむっと表情をしかめた。
「あたりまえだ!オレ一人なら、馬で行ける。おまえが、馬に乗れないというから・・・」
呆然と銃使いを眺め、アルファは思わず吹きだしてしまった。歩くと主張する魔法使いのために、馬の次は馬車を買い求めるこの銃使いは、一体何を考えているのやら。放っておいてくれればいいものを。いや、できることなら、銃使いの方からどこかへ行って欲しかったはずなのに、わざわざ、自分のために戻ってくるとは。
「おまえは、まったく・・・面白い男だな」
「は?」
アルファは、踏み台もボロボロで今にも壊れそうな荷台に上がりながら、こみ上げてくる笑いにくつくつと喉を鳴らした。ローがまだ何か言いたげに鋭い視線を送ってくるが、わざわざ話してやる気もないので、黙って馬車の荷台に座る。
座り心地は最悪で、ところどころに穴が空いている。精々一人か二人座れるかという、開けっぴろげな荷台だが、まぁ、そこまで文句を言うこともないだろう。
ローが月舞号に鞭を入れれば、予想通り、がたがたと危うげな音を立てて馬車が進み始める。
「それにしても・・・」
これは、思いのほか速く修理しなければならないかもしれない、とアルファは思った。
「たかだか2人旅に、馬車とは。大げさなものだな」